あらすじ

東日本大震災から10 年――。
とある東北の小さな駅のロータリー。タクシーが数台、客待ちで駐車している。
タクシードライバーの遠藤（冨家ノリマサ）と竹ちゃん（谷田真吾）が、駅から出てくる帰宅客を眺め、
最近タクシードライバーの間で噂になっている話をしている。
「夜遅く浜街道流してっと、若い大学生くらいの子がポツンと立ってるんだって……」
竹ちゃんの話を一笑に付す遠藤。竹ちゃんと別れた遠藤の乗ったタクシーは閑散とした住宅街を走る。
ライトが照らしたのは、人気のない深夜の道路に立ちタクシーを止めようと手をあげる若い女性（岩田華怜）……。
そして、何もない荒廃した路上に現れた小さな女の子を連れた母娘連れ……。
遠藤のタクシーの道行きの先に交錯する、あの日の出来事とは－－　　。